亀梨先生と高校生仁くん



「ねぇねぇねぇ、先生身長ちっちゃいね」

「うっせ、お前がでかいんだよ」

「ねぇねぇねぇねぇねぇねぇ、中丸がさぁ、先生の事かめって呼んでたじゃん?俺もかめって呼んでいい?」

「だめ。つーか中丸先生、だろ!」

「えー!中丸ばっかずるい!中丸のはげー」

「ちょ、こら!」



「こら、赤西タバコ!未成年はだめだろ」

ギュッ (消した)
「かぁめ先生見逃して?」ニコニコ

「だめ、つーかどうどうと吸ってんじゃねーよ」

「いーじゃん他の先生にはばれてないんだし、ねっ?」

「赤西だけは…はぁ」

「えっ見逃してくれるの?」

「次見たら停学だからな」

「ほーい」



「聞いて!昨日変な夢みたんだー」
「うん」
「なんかね、先生と俺がアイドルやってんの!しかも先生が俺の一個下でー、つまり俺のが年上だったんだけど。ありえねーよな」
「うん」
「あとさ、こーきと中丸とか上田先生とか保健室の田口とかも同じグループでさぁ!東京ドームでライブしてんの!超ウケね?なんでこのメンバーなのみたいな!」
「…うん」
「…ねぇ先生聞いてる?」
「聞いてるよ」
「なんか元気なくね?」
「んー…」

「…かぁめ、元気だせよ」
「先生って呼べっつったろ」
「いたっ!いてぇ!叩く事ねぇじゃん!」



「かぁめー」

「…なんだよ。つか先生つけろっつーの」

「進路どうしよ」

「…お前やりたいことねーの?」

「んーアイドル?笑」

「ばか」

「まじなんだけど」

「余計タチ悪い。以上」スタスタ

「え!ちょ待ってよー先生もやろーよー!」



亀「仁ほんと頭わりーな。ちょっとは勉強しろよ?」

仁「は?おめぇに言われたくねーよ」

亀「おめぇじゃなくて先生だろ!」

仁「じゃーおめぇも仁って呼ぶなよ!」

亀「ちょ、なんでそーなんの?」
生徒「…」

意味のわからない低レベルな喧嘩



「先生、授業中また変な夢みた」
「いや、授業中寝るなよ!」
「まぁ聞いてよ。突然俺がさ、留学行くって言い出すんだけど。なんか先生泣きながら怒ってたよ。しかもぶっさいくな泣き顔で!」
「なんで俺が泣かなきゃいけねーんだっつの。つーか赤西に留学は無理だろー」
「失礼じゃね?わかんねーじゃん。超ペラペラになって帰ってくるかも」
「留学の前にまずちゃんと勉強しろって!こないだの小テストの結果クラスで2番目だったぞ?…下から」
「それは亀の教え方が悪いんだって」
「俺のせいにすんなよ!つーか学校では先生って呼べっつったろ!」
「えー」

実は家が近所で昔からの知り合いとかだったらいいよね、うん



職員室の入り口
「(小声)かめ!かめっ…なしせんせ!ちょっと!(手招き)」
「なに、」
「ちょっとこっち来て!」
スタスタ
「なに」
「このクッキー今日女子から貰ったの亀も食べたいでしょ?残しておいたから食べなよ」
「いいよ、その女の子はお前にって持ってきたんだろ?」
「なんでー貰った時点で俺のなんだから俺がどうしようと勝手じゃん」
「そういう問題じゃないだろ、お前のことをお」
「じゃあこのおにぎりあげる!お袋が作ったの!」
「お前のためにな」
「なんだよ、つべこべ言わず食べろよ!」
「いいよ俺弁当持ってきてるし」
「嘘!いつもそれすら食べねーじゃん!今何時だよ、昼の時間とっくに過ぎてんじゃん!だからそんな痩せてんだよ!(ガミガミガミガミ)」
「わ、わかった、わかったから落ち着けよ」



赤西「やべぇ!宿題忘れたー!」

亀梨「赤西校庭3周してこい」

赤西「やだよ!しかも俺、ちゃんとやったんだよ?」

亀梨「やっても忘れたら意味ない。赤西、ダッシュ」



亀梨が職員玄関から外へ一歩踏み出すと、校舎の壁に寄り掛かってしゃがみ込む生徒の姿があった。ブランド物のマフラーで口元まですっぽり隠し、寒そうに掌を擦り合わせている。

「…なにしてんの?」

一声かければ生徒は顔をあげ、亀梨の姿を確認して瞬時に立ち上がった。
亀梨に対して嬉しそうな笑顔を向ける彼の特徴的な外ハネの髪が冷たい風に吹かれ静かに揺れている。



「せんせーい!お疲れ様、残業?」
「あー、テストの採点終わんなくて…いや、てか赤西お前ここで何してんのって…」
「送ってって、家まで」
「はぁ?」

悪びれもなくそう言い放つ赤西に、思わず亀梨の声が上擦る。

「今日の朝はいつも通り彼女に送ってきて貰ったんだけどー、車降りる時に突然振られてさぁ。バス代もなくて帰れねぇの。だから送ってって。どうせ近所じゃん」



「…くだらね、歩いて帰れっての」
「あ、ちょっ!ひでぇ!おれ3時間も待ってたのに!」

眉間に軽く皺を寄せつつもネクタイを緩めながらスタスタ歩いていく亀梨に続いて、赤西も追い掛けるように歩く。
わずかな街灯だけが照らす静かな職員用の駐車場の中、2人の足音だけが木霊した。

「ねー!せんせーい、亀梨先生?」
「…はぁ…」



ついには自分に追い付いて、ワイシャツの裾を掴みながら子犬のようにすがり付く赤西に、目眩のような感覚を覚える亀梨。

「ねぇってばー」
「……」
「ねー…」
「……」
「…。せんせぇ…」


「あかにし」
「…なに」



「後部座席でいい?…助手席は書類溜まってるから」
「…っかぁめぇー!もー、だから亀大好き!なー、聞いてよ!俺あいつの事まじで好きだったんだぜ?なのにあいつさぁ!」
「ばか!後でゆっくり聞くから早くのれって!生徒乗せて校長に怒られんの俺なんだぞ!」



「ここまでで質問ある人いる?」
「はいっ!先生質問!」
「(また赤西…)いないなら次進めるぞ?」
「先生!無視すんなって!俺手挙げてんじゃん!」
「…分かったよ。はい赤西くん何ですか」
「やった!先生のブツの大きさを教えて下さい!」
「ちょ///おま//」
「先生のどんくらいなの?彼女満足してんの?ねぇねぇねぇねぇ」



仁「すっげーせんせの車マジ書類やべえじゃん」
亀「うっせーただで乗せてやってんだから黙って乗ってろ」

仁「なーせんせは助手席乗せる人いねぇの?」
亀「はいはい、お前はそれしかねえのか」
仁「だって、かめモテねえ訳ねぇし」
亀「(溜め息)…お前みたいので手一杯で俺には彼女見つける暇もないんですーお前が勉強してくれたらすぐ助手席だって埋まるんです」
仁「じゃあ俺勉強やめる」
亀「バカ、意味わかんねーこと言ってんじゃねえ」



「亀ちゃんせんせー、これ教えて。これ」
「“亀 梨 先 生”…問3…お前な、さっきの聞いてた?」
もっと自分で考えろ、と厳しい言葉とともにプリントが帰ってきた。ん?返ってきた、か。
「…けちー!亀ちゃんって呼ぶ女子にはなんにも言わねぇじゃんか!」
「言っても聞かないの」
そういうもんなの女子高生は、と少し面倒くさそうにため息をつく。あ、しまった不機嫌になってきてる。とりあえず、一問でも…。

「…あーもう意味不明わけわかんねーし!数学に英語だすなよマジうぜぇ」
10分前と変わらずそのままの目の前のプリントを睨む。xとかyとかややこしい!



「…だから、このxは2だからこっちに入れて、」
「えっ、じゃあ答えy=6?」
「…正解。なんだよ出来んじゃん」
「まぁねー天才しゅーさい赤西仁ですから!」
「はいはい秀才くん。この調子で卒業まで頑張ろうな。まずは追試験の合格、」
「なんか腹減ったし、せんせーどっか食べにいこ」
「お前なぁ…もう一回3年するつもり?」
「無理無理無理。あ、でも亀ちゃんせんせーいるし別にいいかもー…いてっ!!」
教科書でおもいっきり頭を叩かれた。ぜっったい角つかったし!…たんこぶ…。



「いてーよ冗談だって!半分はね。…うわっ、うそうそ100ぱー冗談です!」
「ったく…。親にもいろいろ心配かけてるんだからさ、頑張って卒業しろよ」
「うん。卒業まで面倒みてね、亀ちゃんせんせー」
「…ほら、次。ちゃっちゃと解く!終わるまで今日帰さないからな」
「きゃーせんせーなにを教える気ですかー?」
「あほ」

新人教師な亀と、ダブりな仁



お昼は(自作)手作り弁当な亀梨先生。対してひろみのおにぎり(のみ)な赤西
そんな赤西を見かねて亀梨先生は自分のおかずあげちゃったり
そして赤西が「うんめぇーなにこれ先生作ったの?超うめぇモグモグムシャムシャこのムシャきんぴらとかムシャムシャ激うまムシャ」とか言うもんだから次の日から先生は多めにお弁当作ってくるんですよねハァハァハァハァ亀梨ハァハァハァハァ先生ハァハァハァハァハァハァハァカワユスカワユス



頭髪検査にて

「あかにしー、パーマ。あと色も!」
「えー!今の色結構暗いじゃん!」
「あほ!明るさの問題じゃないの!染めてんのが問題なの!」
「先週美容室行ったばっかなのに直すの勿体ない!それにクラスの女子が新しい髪型も似合うねーって言ってくれたしー」
「…黒いのも似合うんじゃないかなぁ」
「…え?せんせ、なに、…」
「まーとにかく!就活もあるんだから、早い内に直して来いよ」

なんて会話の翌日、さっそく赤西はさっぱりバッサリラジバンダリ明彦ヘアーになっちゃってたりヒャッフーイ!



亀梨が何気なく渡り廊下を歩いていると、授業中にもかかわらず物陰の方から生徒の話し声が聞こえた。
注意しようと覗き込むと、赤西が女生徒と濃厚なキスを交わしているところに遭遇してしまった。

「(ちょ、ちょー!今時のガキはふざけやがって!)」

タイミングを逃しその場に立ち尽くしていると、キスの合間に赤西の視線がチラリとこちらに向けられ、その口元に人差し指が当てがわれ、「静かにしてて」と取れるサインが亀梨に送られた。
いつものふわふわキャピキャピしたイメージを一蹴する赤西の「雄」の雰囲気に飲まれ、亀梨先生は壁際に隠れながら今更注意に出ていく事もできず無駄にハラハラドキドキする亀梨先生そしてアタスもそんな赤西を妄想するだけでハァハァハァハァハァハァハァ



授業終了後、自分の姿を見つけて

「せんせー!」

なんて何事も無かったように大手を振って駆け寄ってくる忠犬赤西にギクリと肩を震わせる亀梨先生。

「なんかこーきまた田口んとこ行くらしいからさぁ、今日も昼休み俺と一緒に弁当食べよう!」
「ああ、うん…いいよ」
「じゃーまた後でいつもの場所ね」

ああ、いつもの赤西だと胸を撫で下ろしたのも束の間、すれ違い様に亀梨の耳元で

「…さっきはどーもね」

と低音で囁きつつ、去り際に亀梨先生に向かって妖艶に笑って見せる赤西にハァハァハァハァハァしたぃぃぃぃなんつってねぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!ベタすぎるかなぁぁぁぁ!!!でもベタ大好きだっよっ☆



放課後、聖と赤西で街を歩いていると、急に何かに気づいたように聖が物陰に隠れる。

「こーき?なにして…」
「おま、ばか隠れろ!…で、あれ見ろあれ!」
「かめ!…と誰あれ!?きれーなお姉さん!」

聖が指を指した先には、飲食店から出てくる亀梨先生と女性。2人は亀梨の車までの道のりを数秒談笑した後、亀梨は運転席、女性は助手席に乗り込んだ。

「…ひゅー、亀ちゃん先生やるなー!」
「うわー!俺の助手席取られたぁぁー」
「…お前のじゃないだろ」
「最近送ってってくれないと思ったらそーゆー事だったのか…」
「…。いやいや、亀ちゃん先生に送迎してもらってた赤西君に田中君はびっくりだよ」



「…かぁめ」
「なに?」
「あれ、先生って呼べ!って怒んないんだね」
「だってお前何回言っても無駄なんだもん。なんかもうめんどくさい」
「そっかそっか、うはは」
「んで、なに?」
「あのさぁ」
「うん」
「やっぱなんでもない」
「…なんだよ!」
「うへへ」
「はぁ?」

「(…卒業、したくないなぁ)」



初担任クラスをまとめようとするがなかなか言うことを聞かない生徒たちにムキになってしまい落ち込む亀梨先生。ひとけない廊下で後ろから肩をぽんとたたく赤西

「お前がんばり過ぎ」

「先生って呼べっつってるだろ」

「はいはい、亀梨先生」

「…」



桜舞い散る、春です。こんな俺もとうとう卒業することができましたっ!拍手ー。…式中は、あんまり実感がわかないままで。
まだ卒業したくないと思ってる自分がいた。

「今日で終わり、か…」
黒板の前に立って誰もいない教室を見渡す。…へぇーこんなふうに見えてたんだ。そりゃバレるわな。携帯やらゲーム機をよく没収されたことを思い出していたら、ドアが開いた。

「…やっぱここか。赤西、みんな待ってんのに何してんだよ」
呆れたように顔を出した、普段はあまり見ないスーツ姿の担任。



「ごめんごめん、亀ちゃんせんせー呼びに来てくれたんだ?」
「女子が泣いてたぞ。赤西くん怖いけど大好きーって」
「ふはっ。なにそれ俺って最後まで怖かったんだ」
話かけたりけっこう頑張ったのになーと俺が笑うと、つられたように笑顔を見せた。

「ほら、行くぞ。クラス全員で写真撮るんだって」
「…亀梨先生」
「え?…赤西?」
「いろいろ、マジでお世話になりました。俺…正直まだ卒業したくないって思ってる」
これからのこと考えたら、情けねぇけど不安だし、怖い。そう続ける俺に、先生は黙ってうなずいてくれる。



「でも、俺がんばるよ。先生が言ってくれたこと、絶対忘れない」
“自信を持て。確かに遠回りはしたけど、確実に進んでるから。赤西なら大丈夫。”
「だから先生もがんばれよ?これからもさ、俺みたいな生徒助けてやって。先生なら大丈夫」
「…赤西っ…もうお前、ほんと生意気…」
「は?!なんで!俺すげーイイこと言ったのに、」
「ありがとう。初めて受け持ったクラスにお前がいてよかった。…本当はさ、最初赤西がいるって知ったとき、最悪って教師なのに思ったんだ」
「ちょ、それひでーよ」
赤西は少し眉を下げて笑ってる。



「ごめん。でもお前…態度は悪いし成績も悪い、授業はサボるし喧嘩は日常茶飯事だし…初めてクラス受け持てるってのに、こんなの有りかよって思ったんだよ」でも、違った。間違ってた。お前のこと、真正面からしか見てなかったから…気付かなかったんだ。
「ちょっと見方を変えれば、すぐわかった。こいつ、バカがつくくらい素直じゃん、って」
「あんね、バカは余計だバカは!」
「ふ、ごめん。…赤西は、俺に教師としての自信を持たせてくれたんだ。もちろん、お前にそんなつもりはなかっただろうけどっ…嬉し、かった」
「…先生、泣かないでよ」
「泣いてな、いって」
「もー先生に泣かれたら、止まんないじゃん…っ我慢してたのに!俺が泣くとか、マジだせーし」
「はっ、赤西って泣いたら、不細工だな。女子に見せらんねーじゃん」
「…せんせーもね。ちょーぉブッサイクだから」
二人して吹き出して、泣いて、笑った。

「あ!亀ちゃん先生!赤西くん!遅いよー」「うちのクラスだけだよ写真まだなの!」「早くしろよー走れーっ」
急かされながら、真っ赤な目でクラス写真に写った俺たち。後から見たら絶対笑えるんだろうな。

「卒業おめでとう」



亀梨先生●●準備室にて仕事中
コンコン
「…はーい」
コンコン
「はーい…」
コンコン
「はい、どーぞ…」
コンコン
「……」
コンコン…コン…コンコンコンコン!
「…おい赤西…お前いい加減にしろよ…」
ガチャ
「ばれた?」



~季節はずれだけど夏休み~

「あれ?かめ?」

と、奥の方で冷えたミネラルウォーターのペットボトルを拾おうとしゃがんだ亀梨の頭上から声が降ってきたのと、暗くなった視界の原因を見つけるために亀梨が顔を見上げたのは、ちょうど同じくらいだった。

「げ、仁!なんでこんなとこ」
「や、暇だったから。かめはなんでコンビニ?」
「…喉渇いたから」

閉めるから、と言い、開けたままのドリンクコーナーのガラス戸を握る赤西の手をどけるよう亀梨が促す。



あ、ごめんと言いながら、一歩後ろへ下がった赤西の隣に並ぶ形になった亀梨は、久しぶりに見た赤西の髪にぎょっとなった。

「仁!おまえ銀髪ってどういうことだよ」
「え?あ、コレ?いや~かっこいいかな、と」
「学年主任とかも結構このへんの近所に住んでんだぞ?見つかったらどーすんだよ」

見つけたのがたまたま俺だったからよかったものの、ぶつぶつ言いながら、この一学期間でかなり甘くなってしまった己を自覚する。
一度きちっと言ってやらねばと思うけれど、それでも、赤西のへらっと笑った頭の悪そうな顔を見れば、そんな気持ちも萎えてしまうのだ。



「あ、ねーかめもう出んの?」
「うん、買うもん買ったし」
「ふーん、じゃあ俺も帰ろ」

ついてっていーい?とにんまり笑顔で聞いてくる赤西に、亀梨は勝手にしろ、と言った。

セミのうるさい夜道を、二人でゆっくり歩く。
そういえば制服でない赤西を見るのは初めてで、普段よりも大人っぽい隣の男は、子供なふりをしているけれど、亀梨とは片手ほどしか変わらないのだ、という事実に気付く。モラトリアムを終えた亀梨と、今まさに終えようとしている赤西がこうして隣に歩いているのは、なんだか不思議なことのような気がした。



「ねえ、かぁめ」
「んー?」
「今日かめって呼んでも怒んないね」
「あーもうめんどくさい」

そんかわり絶対学校では呼ぶなよ!と念押せば、赤西はむくれっつらをした。

「そんなんしらねーもーん」
「るせー絶対だめ!」
「やだ!呼ぶし!」

だいたい、女子がかめちゃん呼びなのに俺がだめなんて、かめ学校の先生のくせにだんじょさべつじゃん!

いっけねーんだ、と拗ねる赤西に、はは、と思わず亀梨は笑いを漏らす。
ただひとつ、半年後の別れだけが亀梨の胸にひっかかった。