赤西仁が幼なじみだったら
小学校の卒業式の後大きな桜の木の下に10年後の自分に手紙を書いて二人で埋めるんだ。そして10年後。22歳になって久しぶりに会って二人で小学校に向かう。歩きながら煙草を吸う仁。「煙草吸ってたっけ?」『知らないっけ?結構前からだよ。お前こそいつから化粧なんて覚えたの?』「ハタチ過ぎてから」『へぇー。大人になったもんだな』「何それ」『いや、昔ならさ俺らお互いのことで知らねーことなんかなかったじゃん?でも今じゃ知らねーことの方が多いんだよなーって思って』「そうだね。今の仁のこと全然わかんないや」『俺も』二人は仕方ないことと思いながらも、なんだか切ない気持ちになるんだ。
桜の木の下を掘り始めて20分。『あった!うわー懐かしい。22歳の俺へ。だって!俺字きたねー』箱から手紙を取り出して読む二人。『お前の見せて』「や、やだよ!仁のから見せてよ」お互い譲らなくて『仕方ねーな。ほら』って仁が折れて手紙を受け取って読むアタス子。「え…」『な、なんだよ!お前のも見せろよ!』強引にアタス子から奪って手紙を読む仁。『まじかよ…』無言になる二人。手紙の内容は、「今幸せですか?仁に好きと言えましたか?仁の隣でずっと笑えますように」『元気ー?早くあいつに好きって言えよな!あいつとずっと一緒にいれたらいーな』しばらく沈黙が続いて、先に口を開いたのは仁。『大人になってお互い知らないことも増えて変わった部分もあるけど、昔から大切なものはずっと変わってなかったんだな…俺ら』って優しく仁が笑うんだ。そして、懐かしさと共に内に秘めてたはずの想いが二人に蘇るんです。
アタス子には密かにずっと片思いしてた人がいて、でも親友も同じ人が好きだってわかって仲を取り持ってあげて二人は付き合うんだ。『あいつら付き合ったらしいな』「うん」『良かったの?』「いいも何も最初から…」『嘘つけ。好きだったくせに』「…知ってたの?」『何年一緒にいんだよ。見てればわかるっつぅーの』「そっか。でももういいんだ。二人共幸せそうだし」って笑いながらもアタス子は今まで秘めてきた想いが溢れて泣いちゃうんだ。
『お前ってお人好しっつぅかーさ本当にばかだよな。泣くくらい好きなんじゃん』「うるさいな。こういう時位幼なじみなら慰めてよね!」『…でも、お前のそういうとこ本当にすげーなって思う』「え?」『人のために自分犠牲にしてさ。昔から尊敬してた』「仁…」『つうか、お前のそういういいとこわかんねーような男、こっちから願い下げだろ!』泣いてるアタス子を自分の胸に引き寄せる仁。『俺は、全部わかってっから。お前のいいとこ、悪いとこ全部。俺はいつも側にいんだろ?な?』って優しく笑った後アタス子のホッペを両手でつまんで『ぶっさいくな顔』って爆笑するんだ。アタス子は「う、うるさいなーもー」ってふざけつつ、本当に大切な人はずっと前からそばにいたのかもしれないと気づく。『ま、お前の魅力は俺が知ってればいーんだよ。だから心配すんな』二人の友情が恋へと変わった高校二年の秋なのでした。
いつものようにアタス子は仁の部屋にいるわけですね。買ったばかりのCDを夢中で聴いてたら、それまで静かにしてた仁に覗き込まれ。「ねー」「もう何!?邪魔しないでよ」突然のことに驚き文句を言うと「…つまんねーから構えよ」と上目遣いでお願いされるんだ。
何故かドキドキしちゃうアタス子。それを見た仁は「ね、今ドキドキしてるっしょ」とニンマン。何かが始まりそうな冬の日。
家が隣で幼なじみの仁とアタス子は毎日学校に2人乗りで来る。「重いんですけどー。お前また太ったんじゃねーの?」「うるさい!」みたいなやりとりをしながら。学校では大人気の仁くんなので「アタス子良いなあー毎朝仁くんと登校できて。うらやましー」としょっちゅう友達から言われる。アタス子はいつも「何言ってんの。あんなやつただの幼なじみだよ」と返事していた。しかしある日親友から「アタス仁くんのこと好きなんだ。協力してね」と言われ「…うん」と返事をするが、心から応援できないと思っている自分に気付く。
一方仁の方も下心まる出しでアタス子に近づく男子を見てイライラ。「あいつ何ヘラヘラしてんだよまじうぜー。アタス子もあんなやつに笑いかける必要ねーし」と内心面白くない。「アタス子ちゃんってまじで可愛いよなー」なんて他の男が言ってるのが聞こえてきて、心の中で「はっ、ばかじゃねーの。そんなの俺なんて保育園の時から思ってたし…ってあれ?」とようやく自分の気持ちを自覚。お互い相手が好きだと気付いた途端変に意識してしまって上手く話せなくなる。
しかし何とかして2人の仲を進展させなければと思った仁は、ある朝「なあ、俺さ毎朝毎朝幼なじみ後ろに乗せたくないんだけど」とアタス子に言う。もう一緒には登校できないんだ…そう思ったアタス子は「…そうだよねー!じゃあこれからは可愛い彼女でも乗せてあげなよ!」と答える。「うん、そのつもり。だから早く後ろ乗れよ」 「え?」「…彼女乗せるんだったらお前の指定席だろ。拒否権ねーからな?(ニンマン)」「…はい」ようやく幼なじみから恋人へと昇格した2人なのでした。
昔から幼なじみのアタス子を好きだった仁。ある日、大雨の中をずぶ濡れになって走ってたら遠くにアタス子の姿が見えるんだ。アタス子も走ってたけど、隣りには友達の亀梨が一緒にいた。
アタス子の頭には亀梨のジャケットが被せられていて、二人はずぶ濡れになりながらも楽しそうに走ってるんだ。
「何で…?」その場所は、ついこの前まで仁の場所だった。「いつからだよ…」アタス子から何も聞かされてなかった仁。「秘密とか…初めてじゃん…」そう呟いて仁は一人で雨に濡れながら涙を流し続けるんですね。幼なじみなんて良いものじゃないと知った雨の日。
学校帰りに友達数人で遊びに行くことにしてた仁とアタス子。いざ放課後になると「お前は帰れよ。これ命令ね」仁はアタス子を突き放すんだ。「私も行くよ絶対行く」「だーめ。くんな。」「行くって!」「だーめ」そんなやり取りが続いてアタス子は引かない仁にイライラ。
「だってさ」すると突然仁の手がオデコに。「お前、熱あんじゃん?迷惑だし帰れよ。つーか…一緒に帰ってやっても良いんだけど。」その日アタス子は久々に熱を出してた。そのことに仁だけは気付いてた。
仁に教科書を貸してほしいと頼まれたアタス子は仁のクラスに行くんだ。「あ、中丸君仁呼んでもらえる?」と頼むと、おーい赤西!奥さんきたぞーって冷やかされるんだ。仁は顔真っ赤にしながら『ちっげーよ!ただの腐れ縁!幼なじみだっつぅーの!』って全力で否定。じゃあ俺メールしたい!アドレス教えて?と横入りする友達。アタス子が戸惑ってると、『だーめ。こいつはだめ』ってアタス子を後ろに隠すんだ。なんでお前にそんな権利あんだよ!って文句を言う友達に、『んー権利はないけど、こいつ守る役目は昔から俺にしかできないから、だーめ。っつぅーことで残念でしたー』ってニッと笑う仁。『あ、今日部活ねーから放課後チャリ置き場でな!』ってアタス子の頭をワチャワチャする仁はいつもより男らしく見えて、アタス子の当たり前の日常に少しずつドキドキが芽生え始めるんですねー(;;゚;ё;゚;;)
放課後仁を待つアタス子。『わりぃ!待った?』仁と帰ることも仁の笑った顔も当たり前のことだったのに少し意識しちゃうんだ。『今日は歩いて帰ろうぜ』そう言って自転車を引きながら歩き出す仁。『なー今日俺が言ったことお節介だった?』「ん?」『だから…守るとか何とか』「いや、何て言うか嬉しかった…かな」『そ、そっか』二人とも何だか恥ずかしくなって無言で歩く。『あ、あんまりうちのクラスくんなよ』「何で?冷やかされるから?」『なんつぅーか、その…』そう言って仁は自転車を止めてアタス子を見つめるんだ。
『…お前、結構人気あんだよ』「え?誰に?」『俺のクラスの奴ら。今日だってアドレス聞かれただろ?』「あれは冗談でしょ?」『ちげーよ!本気!あーもー後ろ乗れ!』仁に引っ張られて強引に後ろに乗せられるアタス子。自転車を漕ぎながら仁が話し出す。『お前鈍感だし、誰かにさらっと奪われそーじゃん』「え?」『だから!奪われるくらいなら俺が守るって言ってんの!』仁は前を向きながら言う。『お、幼なじみじゃなくて…か、彼氏として』アタス子はドキドキして何も答えられないでいると、『だからうちのクラスくんな。これからは俺がお前んとこ行くから』って言って自転車を止めて後ろを振り返ってアタス子に優しくキスしてまた自転車を漕ぎ出して『あーやっと言えたー!』ってニコニコ叫ぶ仁をアタス子は愛しく感じて仁の腰をぎゅーっと抱きしめて「好き。」って呟くんだ(;;゚;ё;゚;;)
お互いの家を行き来している日々で、アタス子は赤西の部屋に行くんだ。(ベタに窓から)そしたらたまたま着替え中の赤西。久々に見る幼なじみの体は昔と全然違くて筋肉とか胸板とかあつくて一瞬部屋に入ることを戸惑ってしまうんだ。逆に赤西のほうもたまにアタス子の部屋を見てみるとカーテンのむこうでアタス子が着替えてて影で体のラインがわかるんだ。そしてお互い大人になってきたことに気ずいてドキドキするようになっちゃうんだ
いつものように部屋でくつろいでる時に、アタス子が仁の髪を触りながら「あたし仁の髪好きだなーなんかフワフワしてる。痛んでるけど」って言うんだ。「痛んでるは余計だから」とか何とか言って笑ってたんだけど、仁の手がアタス子の髪に伸びて真面目な顔して「俺もお前の髪好きだよ。すげー綺麗」って言ってサラサラするんだ。アタス子がドキドキしてると仁がそのまま髪をグイッて引いて軽くチッス。顔を真っ赤にしてるアタス子を見て「アタス子の初チューもーらいっ!」って言ってイタズラに笑う仁。さっきのクールな顔とのギャップに更にドキドキしちゃうアタス子なのでした。
風邪引いて学校休むアタス子。寝込んでいると『おじゃましまーす』と玄関から仁の声がするんだ。『よ!具合どー?』「まだ熱下がんない」『授業のプリント持ってきてやったぞ。ったくクラス違うのに家が隣だからって俺に頼みやがって。あ、飯食った?』「まだ。下にお粥あるみたいだけど」アタス子が起きようとすると『あー寝てろよ。持ってきてやっから』って下に降りていく仁。しばらくして『ほらお粥。後ポカリ買ってきてやったぞ』「仁が優しすぎて寒気する」『うっせーな!俺はいつも優しいだろーが!』「え?そう?」『ったく。さっさと食って寝ろ』アタス子は仁が温めてくれたお粥を食べて「もう帰っていいからね」って言ってまた寝るんだ。でも仁は『(俺が優しいのは)お前だからだっつぅーの。』って呟いてアタス子が目覚ますまで帰らずにアタス子の頭撫でて寝顔見てニヤニヤするんだ(;;^;ё;^;;)
アタス子の携帯に授業中風邪で寝込んでる仁から電話がくるんだ。留守電を聞いたアタス子は学校帰りに仁の家に行く。「ちょっと!何なのあの留守電。俺…死ぬとかさー」『だって母ちゃんもいねーし死にそうだったんだもん』「んで、熱は?」『下がんない』「ご飯は?」『食べてない』「要するに看病しろってことね」『おーやっさしー!』「調子にのるな」『ほーい』しばらくして「はい。ご飯と薬。」『お前何で病人におにぎりなんだよ!普通お粥だろ!』「うるさいなー。少しでも早くたべさせてあげようっていう優しさなんですけど?文句あんなら食べるな」『あー食べます食べます』そう言って仁はノソノソとベットから起きておにぎりを食べるんだ。
「食べたら薬飲んでね」仁は薬を飲んでまたベットに戻る。『なー。寒ぃー寒ぃー寒ぃー』「毛布かけたら?」『やだ。こうすればいーの』仁はアタス子をベットに引っ張って膝枕させるんだ。『あーあったけー』「ちょっと!」『風邪の時位わがまま言ってもいーじゃん。じゃ、俺このまま寝るね』そう言って目を閉じる仁。「わがままは昔からでしょ…ったく」アタス子はそう言いながらも無意識のうちに仁の頭を撫でて「ふふ。赤ちゃんみたい」って小さく笑うんだ。
そして仁は寝るって言ったけど実はドキドキして寝れなくて寝たふりしてて、目を開けてみるとアタス子が寝ちゃってるんだ。『ったく…』アタス子を今度はちゃんと布団の中に入れてあげて、『赤ちゃんはどっちだっつぅーの』ってアタス子の寝顔見ながら『無防備すぎんだろ。ばーか。』って言ってアタス子が起きない程度に優しく抱き締めたまま一緒に寝ちゃうんです(;;^;ё;^;;)
のんびりと部屋で本を読んでいると携帯が鳴った。仁だ。隣の家の赤西家とは家族ぐるみの付き合い。その家の長男である仁はかなりの甘ったれ。そしてその甘ったれは何か用があるといつも電話をかけてくるのだが密かに想いを寄せてる私は彼のお願いにはいつも断れないでいる。
「はーいー、今日はなーにー?」
いつもの様にカーテンを開け仁の部屋を見るも真っ暗
「あれ?どこにいるの?」
返事がない
「おーい!」
『部屋にいっけど…。風邪ひいたみてー…薬ねぇ?』
苦しそうな声が聞こえてきた。今日は双方の親共がつるんで旅行だがもう家族旅行に付き合うほど子供じゃない。冷蔵庫にぶら下がってる合鍵を取り赤西家へ上がり込んだ。
階段を駆け上がりノックもしないまま仁の部屋のドアを開ける。電気のスイッチをつけるとベッドでぐったりしている仁を発見。額に手を当ててみる。
「あっつ!いつからこんなに?汗もすごいじゃないの!仁着替えなきゃっ!」
ぐったりしている仁を抱き起こす。熱を帯びた体はとても重い。
「病院行く?」『んー…寝てりゃ治るっしょ』
私の右肩におでこを付けたまま体を預けてきた。服を脱がすのも一苦労だ。
手探りでシャツのボタンを外しタオルで軽く身体を拭いていると熱い息が首筋にかかる。
『やべっお前好きになりそ』
一瞬手が止まってしまった
「好きになればいいじゃない。いい奥さんになると思うよ?」
肩に乗せたおでこをほんの少しだけずらし首に唇を寄せいうこときかない体のまま吸い付く。
『俺のシルシ…熱下がったらちゃんとやらしてね…』
その夜は一睡もせず看病するアタス子だった
赤西が一人暮らししてもこっそり幼なじみアタス子が家行って昔みたいにダラダラ過ごして、もお互い両想いだけど言えなくて…フライデーされるのも女と噂絶えないのも全部アタス子の存在を隠したいゆえのカモフラなわけで…だったら萌えるのはアタスだけかすら
夜中にふと目が覚めて外の空気を吸おうと窓を開ける仁。窓つづきになっているアタス子の部屋を見ると深夜なのに電気がついてアタス子の影がうつっている。かすかに聞こえる泣き声と肩の動きでアタス子が泣いている事に気付く仁。
声をかけようと思って、やめた。「なんで俺あんなこと言ったんだろうな…」真っ暗の部屋の中、ベッドの上でアタス子の部屋の方を向いてうずくまった仁の目からは一筋の涙が流れていた。
仁は幼なじみのアタス子に密かに想いを寄せている。今日もアタス子が仁の部屋でくつろいでいると、仁は誰かにメールをカチカチ打っている。「ねー誰にメールしてんの?彼女?(ニンマン)」『ちげーよ、見んな』と冷たくあしらわれ、怒ったアタス子は仁の携帯を取り上げる。『返せ』と冷静な仁。「やだ、メールばっかりしてちょっとは相手してくれたっていいじゃん!」仁は、はあ…と声を漏らしアタス子に覆いかぶさる。「ちょ、何!?」『何じゃねーよ、お前のせーだかんな』「は?何が?」『お前無防備すぎなんだよ、せっかく人が見ねーようにメールで気紛らわしてたのによ』「いつものことじゃん…意味分かんない」『お前普段俺がどんだけ我慢してると思ってんだよ』「そうなの?」『そうなのって…もう我慢できねーんだけど。どーしてくれんの』「そ、そんなこと言われたって…」と困るアタス子にハの字眉毛で『俺のこと、嫌い?』と聞く。「………好き」ボソっと呟くと『フフッ、可愛い奴だな(ニンマン)』と頭をワシャワシャされ優しいチッスでその後幼なじみの一線を超えちゃうんですねー。
「おまえの友達の○○ちゃん可愛いよなー紹介しろよ」「やぁだよアタスの○○ちゃんだもん。仁の友達の亀梨くんカッコイイよね」「紹介してやろうか?」「えっ本当?」「やぁだよ俺のアタス子ちゃんだもん」「…ばかだね」「ばかだよー」
付き合ってはないけど何だかんだお互いの気持ち分かってる二人はどうですか
ある日、彼氏に振られたアタス子はよく行く川原で泣いていたの。そこにたまたま通りかかった幼なじみの仁。仁はアタス子の後ろ姿を見てアタス子が泣いてる事に気付く。何も言わず隣に座ると、ビックリしたアタス子は泣いてる顔を見られたくなくて俯く。それを察した仁はその場に倒れこみ空を見上げ「アタス子?空超綺麗だよ。お前も見てみ?」と言われアタス子も隣に倒れて空を見る。すると、仁が空を見たまま口を開く。「なぁ…。俺らっていつまで幼なじみやってんの?」「…」「俺、もう限界なんだけど」「…?」「もう、幼なじみやめね?」「…え?」すると仁はアタス子の手を握る。「俺これ以上お前の悲しんでる顔見んの…つれぇよ」…仁はアタス子が辛い時や悲しい時にいつも誰よりも一番近くにいるのに<幼なじみ>って形上、抱きしめてやりたいのにそれが出来ない。慰めてやる事しか出来ない。そんな立場にいるのがもう限界だった…「俺がお前を守るから。俺じゃ…駄目?幼なじみじゃなくて…彼氏として」するとアタス子の返事を聞く前に、いきなり軽くチッスしてしまう仁くんでした。
家が隣同士の2人、アタス子が朝苦しくて目覚めると真横には仁。あ―も―と思いながら仁を蹴飛ばす。「はっ?え?なんで蹴飛ばすわけ」「は?はこっちのセリフなんで自分の部屋で寝ないの?寝苦しくてしょうがないっつうの」「ん―それは…なんかお前プニプニしてて気持ちよくて寝心地いい…から?」「…から?ってかわいく言われても知るか!!」と枕を投げつけるアタス子。「いって―」「痛くない!着替えるからそっからブラ取って」と平気な顔で言うアタス子。「はあ…お前な俺一応男だぞ。男にそんなこと頼むか普通?」と言いつつもブラがある場所を知ってる仁。そしてはいと渡す「別にいいでしょ!昔っからそんなの気にしてなかったじゃん」と笑う。すると「あ―なんかムカツク」といい頭をかきながらアタス子のとこに行き後ろから抱きしめる感じで「俺は気になりはじめてんだっつうの」と小声で言う。「え?何?ていうか着替え中なんだから邪魔しないでよ」と聞こえていなかったアタス子。
ある日街を歩いてる仁。そこにアタス子から電話が「もしもし?仁?」「ん、どした?」「今外?」「うん」「お!ラッキーお腹すいたからさなんか買ってきて」「はあ?オレぱしりかよやなんだけど自分で買いに行けよ」「だって今日寒いんだもん!」「オレだってさみーよ」「いいじゃんいいじゃん外いるついでに買ってきてよお願い」とかわいく言われてちょっと嬉しい仁。「しょうがね―な分かったよ」とイヤイヤながらもOKする仁。コンビニによって「そういやアタス子これ好きだったよな」と手に取っては次々にカゴに入れる仁。買い終えてアタス子宅へ。部屋に入るとスウェット姿でこたつにはいってぐだ~っとしてるアタス子。仁を見ての第一声「おーそーい!背中とお腹くっつきそう」とちょっとお怒りモード。
「遅いって…人がせっかくお前の好きそうなやつ選んで寒い中帰って来たのに第一声がそれかよ」「あは」「あはじゃねーよ、てかさお前オンナだろ?いくら休みだからってその格好はダメだろ…」「いいのいいの!こんな格好仁の前でしかしないし」といいながら仁が買ってきた袋の中をあさるアタス子。一方仁は仁の前でしかと言う言葉にちょっとドキッ。でも平静を装い「まあそれもそっか」とこたつに入る仁。「あ!コレあたしが好きなやつじゃん、さすが仁!あたしの事よくわかってんじゃん!」といいながらお菓子を食べるアタス子。それを見ながら「あたりめーだろ何年お前と一緒にいると思ってんだよ知らねー事あるほうが少ねーよば~か」と心の中で言う仁。しかしアタス子はそんな仁の気持ちに全く気づかずお菓子を食べ続けるのでした。
毎朝学校まで2ケツして行く仁とアタス子。いつものように外に出ると玄関の前で待ってる仁。『おまえ今日前ね。』「え、なんで?仁こいでよ重いし!」とか言いつつ、結局アタス子が漕ぐはめに。「重いよー」とか「疲れたー」と言うアタス子の後ろ姿を見ながらニンマンする仁。順調に学校に向かっていたが途中アタス子がバランスを崩し、それまで余裕の表情を浮かべてた仁も『あぶねっ』と言ってアタス子の腰にしがみつく。その瞬間、アタス子の腰の細さに女を感じ意識する仁と、いきなり腰に手を回され焦るアタス子。ただの幼なじみにちょっとだけ男女の空気が流れる、そんなある朝の出来事なのでした。
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